伊藤香織さん(倉吉RC)「硫黄島いまだ玉砕せず」感想文

「硫黄島いまだ玉砕せず」を読んで

私はこの本を読んで、戦争はやはり不幸しかもたらさないものだと改めて思いました。
戦争は目的があるから起こるけれど、だれも死にたくないし、人を殺したくないのにそうでもしなければならない状態になっていたことが私は悲しいことだと思いました。

私が印象に残っている一つお話をあげてみます。
それは、髑髏盗難のお話です。
アメリカの兵士たちがひそかに金歯などを目当てにしたゴールドラッシュといったことが流行り、日本兵の髑髏を持って帰ってしまっていて、遺骨集めをした際にどうしても数が合わなくなっていたそうです。
そんなことがあっては亡くなった兵士の遺族たちに申し訳ないとアメリカへ返還するようにもとめたそうですが、読んでいて私は少し怒りをおぼえました。
アメリカ側の対応がひどいものだったからです。そのことに関してはこれ以上話しても意味がないといったような返信ばかりだったそうで、いっこうにその問題について解決しようという姿勢がみえなかったように書かれていました。
帰りを待っている遺族に対しての気持ちがないのかと思いました。
日本人だから、戦争で敵だった国で、負けた国だから、だから返さないのか。とても悔しい気持ちでいっぱいでした。
こういった気持ちが大きくなることで」、争いがおこるのかもしれません。そうなれば結局、同じことの繰り返しになってしまうでしょう。
しかし、この話には続きがあります。

この問題をアメリカに交渉していた和智さんは、対応してくれるまで根気強く争うのではなく手紙を書いて交渉し続けました。
どんなに経っても、対応の態度は変わらないのにあきらめませんでした。そして、あるとき取材されたことを境にアメリカから遺骨が戻ってきたそうです。
あきらめずにがんばってきた結果があらわれはじめていた証拠でした。遺骨を返してもらうだけでも長い時間がかかるのに現在の日本とアメリカの関係になるのにどれくらいの時間、そしてどれだけたくさんの人の頑張りがあったのか。
本当に今幸せに生きていることに感謝しなければなりません。

日本のことだけをあげてみるとアメリカ側が悪く聞こえてしまのは当たり前です。
しかし、日本がアメリカに与えた傷も大きく深いものだと思います。そのことも忘れてはならないと思います。
こうやって過去におこった戦争から学ぶことは本当に今に生かせることばかりです。
しかし、過去から何も学ばず、忘れてしまったままでいれば必ずまた戦争が起こります。
戦争になってから気づくというのは一番あってはならないことだと思います。

私はこれからの将来を担う私たちに必要なことはたくさん求められるけれど、このことも肝に銘じておくことが大切だと思います。 

 

                                    伊藤香織

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