PETS
会長エレクト研修セミナー(PETS)
開催概要
国際ロータリー第2690地区会長エレクト研修セミナー(PETS)が3月7、8日、2日間の日程で、岡山市の岡山全日空ホテルと岡山国際交流センターを会場に開催されました。
佐藤芳郎地区ガバナーエレクトが基調講演し、次年度の地区目標を提示しました。 また、「クラブの活性化」をテーマにグループディスカッションが行われ、各クラブの現状報告、意見交換が意欲的に行われました。
セミナーには、渡辺好政元国際ロータリー理事、松本祐二地区ガバナー、歴代地区パストガバナー、庄司尚史地区ガバナーノミニーら来賓、第1~第11グループ次期ガバナー補佐、地区内67クラブ会長エレクトのみなさま約100人が出席しました。
開会式では松本祐二地区ガバナーが佐藤芳郎地区ガバナーエレクトを紹介し、「新しいRIテーマに向かって大きく羽ばたいていただきたい」と激励しました。
プログラム
各セッションの目次
- セッション1 「基調講演」佐藤芳郎地区ガバナーエレクト
- セッション2 「ロータリーの目的について」延原正次期地区研修リーダー
- セッション3 「リーダーシップ」桑原茂第2520地区パストガバナー
- セッション4 「ロータリーのリーダーとは」渡辺好政元国際ロータリー理事
- セッション5 グループディスカッション「テーマ:クラブの活性化について」
「基調講演」佐藤芳郎地区ガバナーエレクト
1月に米国サンディエゴで開かれた国際協議会の様子を紹介、ラビンドランRI会長エレクトが次年度のRIテーマを「Be a gift to the world(世界へのプレゼントになろう)」と発表した、重点項目として①エンド・ポリオ・ナウ②増強③財団の寄付④公共イメージの向上⑤ITの活用の5項目が示されたことを報告しました。
次年度の地区目標として①会長賞チャレンジ②R財団(寄付とDDF)③米山記念奨学会④公共イメージ向上⑤ソウル国際大会登録の5項目を示し、数値目標として会員増強=3%増加、R財団年次基金=150$/人、米山=15千円/人―を掲げました。
会長賞チャレンジの重点項目でもある増強・維持については「増強・補強はクラブの将来のために重要であるから、1年も努力を欠かせない」と、その必要性を強調しました。
公共イメージの向上については、「まずロータリーが何をしているのかを多くの人に知ってもらうことが重要。 メディアを通して広報してもらってほしい」と要望しました。
また、来年5月28日~6月1日の間、ソウルで開かれる国際大会について地区を挙げて取り組む方針を示し、「第2690地区で500人の参加を目指したい」と各クラブからの積極参加を強く求めました。
最後に、各クラブの次年度運営計画立案について①会長の独自色(100人100色)を出す②クラブを一層活性化する③記憶に残るよい年度にする④クラブ独自の文化づくり⑤一人ひとりの会員の方にクラブの中での居場所を探してもらう-を挙げました。
また、1989-1990年度のRIテーマ「Enjoy Rotary」を基に「あいことばはEnjoy Rotary」を次年度の地区スローガンとして提唱し、「2690地区の奉仕の理想丸がスムーズに出航できるように力を貸していただきたい」と全員一致で新たな航海に向かう決意を表明しました。
「ロータリーの目的について」延原正次期地区研修リーダー
まずRIの定款第4条が「綱領」から「目的」に、条文の「有益な事業」が「意義ある事業」に、さらに「奉仕の理想」が「奉仕の理念」に変わったことを説明、「表現が非常に分かりやすくなった」と話しました。
このうち第1項の「知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること」については「非常に重要」だとして元RI理事南園義一さんの「相手への思いやりの心をもって奉仕することが超我の奉仕である」との言葉を紹介しました。
また、「増強で一番大事なのはロータリーの目的を理解してもらうことだ」と指摘しました。 さらに「第2項は職業奉仕と、その高潔性を簡潔に表している」とし、「ロータリアンが絶対守らなければならないのは人の道、人倫です。このことをよく理解していただきたい」と話しました。
「4つのテスト」についても「職業奉仕にふさわしい言葉と認められていますが、はっきりしておかなければならないのは、これは規制ではない、自己評価を促すものだということです」と説明し、ロータリーの目的を十分に理解し、クラブ運営に当たる重要性を強調しました。
「リーダーシップ」桑原茂第2520地区パストガバナー
冒頭、「震災から4年が経過するが、復興は道半ば」と地区(岩手県・宮城県)の状況を紹介。 岡山南クラブや第2690地区からの支援に対し感謝の意を表しました。
リーダーシップについては、ピーター・ドラッカーらの定義を引用しながら、資質でもカリスマ性でもなく「仕事上の役割」であり、組織の使命を確立し、PDCAサイクルを機能させることであると解説。
また牽引型と奉仕型のリーダーがバランスよく存在することも必要であると説明しました。 次にクラブを効果的に機能させる要素として①会員の維持拡大②奉仕の実施③財団の支援④指導者育成を提示。
会長はその実現に向けて例会や理事会の議長、予算や活動計画の作成、ガバナーとの協力等を行うとしつつ、審議部門の代表権者であって執行権は持たないことに留意を促しました。
特に活動計画について「魅力ある奉仕団体として生き残るには、活動計画が毎年同じではいけない」とし、各クラブの3年分の計画書をチェックした自身の経験を紹介しました。
また、会員を「顧客」として捉えた「カスタマーサービス」を提唱。年次の高い会員は奉仕活動や居心地の良さを求めているが、年次の低い会員は奉仕活動よりも先輩からの職業的アドバイスを求めているとの調査結果を引用し、各層のニーズに対応し会員の定着を図ることが会長の役割であるとしました。
「ロータリーのリーダーとは」渡辺好政元国際ロータリー理事
1.私のロータリー年の始まり物語、特に、今年のサンディエゴでは
最近、ここ、10年間、私のロータリーライフの始まりは、1月、サンディエゴで始まる国際協議会(以下、IA)からであります。
と申しますのは、毎年、RI関連の多くの役職があり、その関連の委員会が、関係者が多く集まるIAの期間前後に開催されることもあり、また、IAの前には、RI理事経験者の同窓会が定期的にPast Officers Reunion(以下、POR)という名のもとに開催され、現、次期、次々期のRI会長やTRF委員長関係の皆さんの講演が計画されているからであります。
しかし、今年のIAには、とりわけ重要な会合に出席をさせていただく必要がありました。 それは、私こと、ロータリー日韓親善会議委員会委員長(以下、日韓親善会議委員長)として、長年に亘ってご尽力をされておりました今井鎮雄先生が、先般、現職のまま他界されました。
実は、今井先生の後継者の選考過程において、私にとって、やんごとないお方のご推挙もあり、私も、第2の故郷である韓半島関連の委員会のことでお断りできないなと思っていましたところです。
しかも、本日ご参会のクラブ会長の皆様の会長年度内である2016年5月28日から6月1日まで、日ごろからお世話になり、敬愛する小沢 一彦PRID, PTRFTさんが共同委員長を引き受けているRI国際大会が韓国のソウルで開催されるということから、ソウルIC関連のブースが出ますので、それに、日韓親善会議委員長候補者として、アテンドをさせて頂くこととなったのであります。
本年の2月8日、故今井鎮雄先生の偲ぶ会の終了を期に、私は、正式に、今井鎮雄先生の後を受け、ロータリー日韓親善会議の委員長に就任をさせていただいたのであります。
2.IAの意味とRIにおける位置づけ
IAは、RIの国際大会に次ぐ大きな意味を持っている集まりであり、予算的にも4億円以上という一大イベントであり、全世界の537地区から、次年度の地区ガバナーエレクト(DGEs)ご夫妻が一堂に集い、新ロータリー年度の活動方針を次期RI会長から聴き、RI研修リーダーによるグループ討論などでの研修を受けて、IA全期間の出席を持って、晴れて、DGEに任命されるという関門の1つであります。
私たちの地区からは、佐藤芳郎DGEご夫妻が出席されました。 とりわけ、伊藤文利PDGが、西日本からはじめて選ばれた日本からのSAAとして、IAでの活躍をされたことは、とても意義深いことでした。
3.ラビンドラン RIPEのテーマと地区としての方針
この表題につきましては、昨日、佐藤DGEから親しくお話になり、私たちは、感動をもって受け止め、その方針の実現に真摯な努力を重ねてまいる決意を表明したところです。
ラビンドラン RIPEの“Be a Gift to the World”「世界へのプレゼントになろう」のテーマとともに、地区のスローガンとして、「あいことばはEnjoy Rotary」を掲げられた佐藤DGEの地区目標の達成の実現に邁進いたしましょう。
”Sleep on it”という表現があります。一晩の時を経て改めて考えると、また、違った感動が湧き出て、新しい力が湧いてくるものと信じております。
4.私の講演の主題と副題
主題は、「ロータリーのリーダーとは」であります。
皆様は、PETSの第1日目に、RIの研修リーダーもご経験になり、現在の日本ロータリーにおいて、素晴らしい講演者のお一人である2520地区、桑原 茂PDGから、「リーダーシップ」のご講演をお聞きになり、リーダーシップの本質をご理解いただけたことと拝察いたします。
本日、ご参会の私たち第2690地区・次期クラブ会長の皆様には、ぜひ、「ロータリーのリーダー」として、ご自身の知識、知恵、技能、その他のexpertiseを、会長をされるクラブのために、そして、世界を豊かにするために、プレゼントされ、”Enjoy Rotary"を合言葉にしてロータリー・ライフを、文字通り、enjoyされますよう心から希望しております。
5.PETSの意味
5-1:P=President: Pre(before) 前に、+sid座る 『前に座る』
E=Elect: その役職に選ばれている人、
5-2:RIにおけるクラブ会長エレクトの立ち位置
RIは、ロータリークラブの集合体であります。 そのロータリークラブを取り仕切られるのは、クラブ理事会であり、最終の意思決定は、クラブ会長によってなされます。 会長エレクトは、会長に就任することが約束されている人であります。
次期のPresidentであります。 時が来れば前に座る人なのです。
クラブ会長の役割は、充実したロータリークラブを目指して、クラブを導くことであります。
5-3:“The Buck Stops Here.”
アメリカ合衆国の大統領もPresidentであります。 トルーマン大統領の机の上には、この文字が刻まれている彫刻がありました。 「私が決定する」という意味です。
5-4:T=Training
Training vs Coaching:研修とコーチング
Training は、日本語では、「研修」という字があてられています。 Trainとは、列車ですから、線路があります。目的に向かって、皆さんが一緒に、同じ目的のゴールに到達するように研修方法、成果の判定などが決められております。
一方、Coachingとは、文字通り、coach=馬車に乗って、目的に到達するには、その人にふさわしい通路を選び、方法を選びながら、コーチとコーチングを受ける人が、自ら選択する主体性を維持していく研修の方法。 野球の選手とコーチの関係参照。
Training vs Education:研修と教育
ロータリアンは、すでに、多くの経験もあり、特別なスキルを持っている方ばかりですから、できれば、教育という言葉を避けて、研修、あるいは、情報提供(information)という用語を使用してはと考えます。
5-5:S= Seminar
Seminarの原義は、ラテン語のseminarium(=seminary 苗床、教育の場)であり、semen(=seed)から派生した[苗床]「学校」を意味するseminariumが中英語に入ったのです。
ですから、ご参会の会長エレクトの皆様には、本日のセミナーで「種」を植え付けてもらった、それをご自身のクラブに持ち帰られて、大事に、大事に育てていただきたいのです。
6.リーダーとは、特に、ロータリーのリーダーとは
6-1-1:K.R.ラビンドランRI会長エレクトは、2015年IAの基調講演において、「リーダーシップの最も重要なルールを3つ挙げてください。」と問いかけられました。
- 誠実さと高潔さ honesty and integrity
- マネジメント management
- 透明性 transparency
6-1-2:マネジメントのスタイルとは
- 協力 cooperation
- 倫理的行動 ethical behavior
- 多様性の尊重 respect for diversity
- 組織の成功への献身 commitment to the success of the organization you serve.
6-2:Leader、Leadership、Management
Leader, Leadership & Managementに対する先人の言葉
リーダーシップ白熱教室(NHK-TV)が再放映されております。 講師のハーバード大学ケネディースクールロナルド・ハイフェッツ 教授は、リーダーシップは権威とは別である。リーダーシップは「問題に立ち向かい、大勢を動かす手段」であり、「実践」でとらえると述べられております。
また、リーダーシップは学べるものである。 リーダーと呼ばれた人物を分析するのではなく、発揮されたリーダーシップそのものを分析するのです。人々に今どの時点にいるか、どこにいるかを問うことであり、そして導くことであります。
「リーダーシップにおける最も多い失敗は何か?」の問いに、ハイフェッツ 教授は「リーダーは正しいことをしようとして失敗する。」と述べられました。 また、「失敗する原因は何か?」との問いには、「解決できないものに対して解決策を示す。」との考えを示されました。
Management is doing things right, leadership is doing the right things.
(Peter Drucker)
(参考訳:物事を正しく実行するのが経営であり、正しいことを行うのがリーダーシップである、)
The function of leadership is to produce more leaders, not more followers.
(Ralph Nader)
(参考訳:リーダーシップの役割とは、多くのフォロワーではなく、多くのリーダーを育てることである。)
A leader is one who knows the way, shows the way, and goes the way.
(John Maxwell)
(参考訳:リーダーとは、道を知り、道を示し、道を行く人である。)
LEADERの頭字語(acronym)を取って、リーダー像を描きますと
Listen: 相手の思いを聴き、こちらの思いを語る
Enthusiastic: 情熱的に、熱意をもって
Ambitious: おおいなる志を持って
Dream: 夢をかたちにしながら
Enjoy: 楽しみながら、
Rational: しかし、合理的に、理路整然と、感情の溺れることなく
6-3:特に、「ロータリーのリーダー」とは
私は、リーダーの役割について、過去、いろいろとその道の先達に、また、学び、自分自身のクラブ会長、地区ガバナー、地区やRIの各種の委員会委員長、そして、RI理事職での経験から、いろいろと模索を重ねてまいりました。
歴代の元RI会長の中で、最高の論客の一人であるクリフ・ダクターマン元RI会長は、昨年と今年と、引き続き、「ロータリーのリーダーは、オーケストラの指揮者のように」という講演をなさいました。
同じ内容でした。IAを取り仕切られたRavin RIPEの懇願に対して、90歳を超えるクリフPRIPは、素晴らしい英語で、格調高い講演をされ、全聴衆の感動を引き起こされました。PORも含めますと、私は、同じ講演を4度も拝聴し、その度毎に、眼から「うろこ」が落ちるとは、このことかと思うような感動の浸ったのを昨日のように覚えております。
佐藤DGEと地区研修リーダーの延原PDGのお許しを得て、参考資料の一つとして、クリフPRIPの講演のさわりを差し上げておりますので、後程、ご覧いただければ幸いです。
時間の関係もあり、全体を皆様にご紹介できないのは、誠に残念であります。 皆様には、ロータリーの友3月号の2014年国際協議会報告の記事の中で、二神典子編集長の「ロータリーのリーダーシップはオーケストラの指揮者のようなもの」という表題を掲げて、当該講演の見事な紹介文を、すでに、お読みになっていると思います。
もし、万一、まだお読みでないお方がおいででしたら、ぜひ、ご一読いただきますように。そして、できれば、RIのホームページを開けていただき、講演全文をお読みいただきたいと願っております。
私は、時間の関係もあり、ダクターマン元RI会長の述べられていることを、私なりの受け止め方で簡単にご紹介申し上げます。
ボランティアであるロータリアンの集まりを対象としたリーダーのあり方には、通常の論理と形式、そして、その実行計画は通用しません。 そのために、多くのリーダーが悪戦苦闘を重ねて109年の歴史を創ってまいりました。
ご自身すぐれたリーダーであり、長年に亘って優れたロータリー・リーダーの皆さんが実践されているスキルのたとえとして、最適なのは、ロータリーのリーダーは、オーケストラの指揮者のようなスキルと気質を備えている人という結論に達しました。
ボランティアであるロータリアンを解雇することもできなければ、新しいクラブ会長を雇うこともできません。
オーケストラには、様々な楽器、スキル、才能を持つ演奏者が集まっているように、ロータリーでは、地区やクラブには、様々な能力、関心、経験を備えた人々があふれています。これらのことを踏まえながら、その方々の優れた能力、いろいろな方面への強い関心、そして、豊かな経験をどのように、ロータリーの奉仕活動に生かしていくかがロータリーのリーダーに問われるスキルと資質になります。
6-4:リーダーシップの特徴:オーケストラの指揮者 vs クラブ会長
それらのリーダーシップを具体的に実践するためには、どのような戦略計画が必要でありましょうか? 6つのポイントにまとめてスライドにさせていただきました。
優れたオーケストラの指揮者 | 優れたクラブ会長 |
1.良く準備ができている | 会長年度の入念な準備を整えている |
2.耳を傾ける | 聴く耳を持っている |
3.分かち合う | 経験や知識を分かち合う |
4.励ます | 人を励まし、活躍を称える |
5.発展を促す | 力強いクラブを築くための新リーダーを育成する |
6.演奏する | 人々に喜んでもらえる活動をする |
6-5:ロータリーのリーダー
クラブ会長は、ロータリーの道を知り、ロータリーの道を示し、そして、自らロータリーの道をゆく人でなければなりません。 ある意味では、悩みの多いお役目であります。
7.ロータリーの行動規範
ロータリアンとして私は次のように行動する。
- 個人として、また事業において、高潔さと高い倫理基準をもって行動する。
- 取引のすべてにおいて公正に努め、相手とその職業に対して尊重の念をもって接する。
- 自分の職業スキルを生かして、若い人びとを導き、特別なニーズを抱える人びとを助け、地域社会や世界中の人びとの生活の質を高める。
- ロータリーやほかのロータリアンの評判を落とすような言動は避ける。
事業や職業における特典を、ほかのロータリアンに求めない。
第5項目は削除されました。(2014年10月理事会 決定60号)
8.元RI会長の悩み
「時として自分の仕事を犠牲にしてまで、ロータリーのために時間を割き、任務を果たすことに、果たして意義があるのだろうか?」とご自身の精神的指導者に問いかけられたのは、高名な元RI会長の在任中のことであります。
私は、2008年のIAにおいて、職業奉仕の重要性について総会講演を行いました。 その翌年、高名な元RI会長が、「職業奉仕―忘れられた奉仕部門」と題して講演をされた、その内容の一コマであります。
赤裸々に、ご自身の悩みを精神的指導者に伺いを立てられたことの告白を話されました。全聴衆は、そのあとの指導者の回答を静かに待ちました。 この時の聴衆は、全世界のDGEsの皆さんでした。
しかし、私は、自分自身の経験から、今日ご参会の皆様から、同じような自問自答があるのではないかと想像しております。
精神的な指導者であるスワミジさんは、一言、こう答えられました。
「あなたが、人間として成長できるならば、それは意義がある。」
この元RI会長の悩みは、質と、量とで推し量りますと、量には大きな差があるかもしれませんが、質的には、クラブ会長を引き受けられる皆様、地区ガバナーを引き受けられる方、RI理事を引き受けられる方,それぞれにおいて、同じものではないでしょうか。
では、話題ともっと進めましょう。
9.ロータリーの徽章の意味するもの
本日、ご出席の皆様が、胸につけていらっしゃるロータリーの歯車の徽章は、皆様が出会われるお相手の人に次のように語りかけているのです。
(ボブ・バース 元RI会長)
- あなたは、私を信頼することができます。
- 私は、頼りになります。
- 私は、信用に値します。
- 私は、受けるよりも多くを与えます。
- 私は、いつでもお手伝いをいたします。
この語りかけの背景には、私たちの先輩が、100余年をかけて、血のにじむような研鑽と努力によって築き上げてきた貴重な評価なのであります。
10.退会しそうになったロータリー・クラブ会員の物語
現在のRon Burton RI会長は、米国、オクラホマ大学の基金管理委員会の責任者として忙しい日常を送っておりました。 もともとは、K-Clubというキワニスの少年団に入っていましたが、キワニスからは誘いがかからないまま、同僚の教授から誘われて、ノーマンRCに入会しました。
しかし、1年して、出席しなくなりました。ある時、同僚の教授から電話がかかってきました。
「Ronさん、どうしてクラブ例会の出席しないの?」と。 それに対して、「いや、私は、木曜日はとても忙しいんだよね。
それに、食事もおいしくないし、プログラムも退屈だから、もう退会したいと思っているんだが…」とのやり取りの後、同僚の教授は、「来週一度例会に出席してくださいね。会ってお話ししましょう」とのこと。
やむなく、Ron RI会長は、彼の顔を立てるつもりで、次の例会に出席したところ、次期会長から、「私の年度のTRF委員長をお引き受けいただきたのですが・・」という熱心なお誘いがあり、それを受け入れ、Ronさんは、ロータリー活動を再開しました。
Ronさんにとっては、ロータリー財団活動への参加が、My Rotary Momentとなり、「ロータリー・クラブ会員であった私は、その時にロータリアンになりました」との自覚のもとにロ-タリ-の奉仕活動を続けられ、ついに、RI会長までになられたのです。
これには、Jetta奥様のご支援が大きい支えになっていると思われます。 正に、「ロータリーを実践し、みんなに豊かな人生を」のテーマを実践されたこととなりました。
11.ロータリー・クラブ会員 vs ロータリアン(元RI会長の言葉から)
私が見るところでは、世界中のロータリー・クラブに2種類の人たちがいます。
「ロータリークラブのメンバー」とは
ひとつは、例会に出席し、会費を払い、プログラムに耳を傾け、特別なプロジェクトに寄付をしますが、1週間のあとの日はロータリーのことなどすっかり忘れてしまう人たちです。
「ロータリアン」とは
もうひとつのタイプも例会に出席をし、会費を払っています。 しかし、この2つのタイプの間には大きな違いがあります。 2番目のタイプは、他人のために何かをする機会をいつでも受け入れようと考えている人たちであり、毎日、ロータリーを実践している人たちなのです。
12.ロータリーを一字で表すならば:それは H・O・P・E !
- H:Honor Rotary ロータリーを高めましょう
- O:Organize Rotary ロータリーを組織しましょう
- P:Participate in Rotary ロータリーに参加し敢行しましょう
- E:Enjoy Rotary ロータリーを楽しみましょう
13.地元でロータリーのストーリーを伝えよう
RI理事エレクトのジェニファー・ジョーンズさんは、2015年IAの第3回本会議におきまして「地元でロータリーのストーリーを伝えよう」という講演をなさいました。
その中で、「ロータリーでは、リーダーが参加するわけです。一人ひとりがリーダーです。 そのリーダーのグループを集めれば、アイデアが広がります。
私たちは賢い人間です。アイデアを広げれば、他の人に行動を促すことができます。また、自分からも行動することができます。」と語りかけられました。
そして、そのことを6つの言葉で表現されました。
- リーダーのネットワークへ(Join Leaders)
- アイデアを広げる(Exchange Ideas)
- 行動する(Take Action)
「ロータリーとは誰ですか?」、「ロータリーとは何ですか?」、「なぜロータリー活動をするのですか?」、ことを考えてみましょう。
14.ロータリー公共イメージ・コーディネーターの役割
伊藤文利PDGは、来年度も引き続き、アシスタント・ロータリー公共イメージ・コーディネーターをお勤めです。 このロータリー公共イメージ・コーディネーターのお役目は、広報、ジャーナリズム、コミュニケーションに関連する専門知識を生かして支援を行います。
- ロータリーの人道的活動を多くの人びとに認識してもらう。
- ロータリーの活動の成功例を紹介できるよう、クラブや地区を支援する。
- 公共イメージ補助金に関して助言を提供する。
- ロータリーの公共イメージ向上に向け、地域に適したアプローチを促進する。
15.これからのロータリー
これからのロータリーをどのように発展させるのでしょうか。
- Community Service
- Network
- Fellowship
16.ロータリーデー
ゲイリー・ファンRI会長は、今年度ロータリーデーに取り組まれました。 日本では、名古屋市において、「ワールドフード+ふれ愛ファスタ」の一環として、11月3日に行われました。当日、RI会長は出席できませんでした。
そこで、「ジャパンロータリーデーⅡ in 東京」が開催され、RI会長他、大勢のロータリアンが参加されました。 当日は、選ばれた10の地区、クラブのロータリーデーの映像紹介されました。
当地区からは、鳥取中央RC、益田西RC、笠岡RC、総社吉備路RCの4つのRCの素晴らしい活動がございました。 また、真庭RCの皆様が出席をされていらっしゃいました。
このロータリーデーにつきましては、ゲイリー・ファン会長の強い要望を受けまして、2015-16年度も継続して行われることになりました。
17.2016年Seoul国際大会へのお誘い
2016年ロータリー国際大会は、2016年5月28日~6月1日、韓国・ソウルで開催されます。 皆様のご参加をお願い申し上げます。
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グループディスカッション「テーマ:クラブの活性化について」
各地区会長エレクトによるディスカッションが5グループに分かれて行われました。各クラブからは、▽地域FM放送の活用や青少年・米山奨学生との交流などを通じてロータリークラブはどんなことをしているのかなど社会に向けたアピールを強化する▽卓話の講師に話題の人や入会候補者を呼んだり女性会員の増強で雰囲気を変えるなど新しい例会運営の在り方を考える▽例会出席の義務付けや国際大会へみんなで行こうなど明確な目標を会長が打ち出す等、取り組みの工夫が紹介されました。
各グループのカウンセラー(パストガバナー)からは、会長は目的と使命感をもって取り組もう、同好会を活発にして楽しい活性化を図ろうなどの助言がありました。
総括・講評では佐藤地区ガバナーエレクトから「このセミナーで会長となる準備ができたと考えます。次年度スタートまでの間に目標を決めておいてほしい」との言葉がありました。